モバイルデバイスの管理において、最近は従来のMDM(Mobile Device Management)だけではなく、MAM(Mobile Application Management)やMCM(Mobile Contents Management)といった言葉(システム)をよく耳にするようになってきました。

なぜMDMだけではなくMAMやMCMというが注目されるようになったかというと、BYOD(Bring Your Own Device)の普及により、従来のMDMシステムでは対応しきれない、もっと複雑な管理が要求されるようになってきているという背景があります。例えば社員が会社データの入ったiPadを紛失してリモートワイプを行った場合、会社のデータ(情報)やアプリケーションだけではなく、個人のメールや写真などのデータも消去されてしまいます。もちろん会社支給の端末であればそれほど問題ないですが、BYODの場合は個人の大事な写真やメールなどは簡単に消去されたら困ります。そのようなことを避けるためにも、BYODを導入する場合は業務領域と個人領域を分けて管理できるようにする機能も必須になりつつあります。

ひとまずはMDM、MAM、MCMのそれぞれの定義をまとめてみたいと思います。

MDM(Mobile Device Management)とは?

MDMは当サイトの記事「2.MDM(Mobile Device Management)の導入」でも紹介していますが、通常iPadをはじめiPhoneやAndoroid端末を導入している企業ではもはや常識的な管理ツールです。

タブレットやスマートフォン端末を遠隔で管理できる仕組み。

MDMで管理しているモバイルデバイスに遠隔でセキュリティ設定を施したり、紛失した時にリモートワイプでデータを消去したりすることができます。

MAM(Mobile Application Management)とは?

MAMは「マム」と読んだりするみたいです。まだ完全に定義がはっきりしていないみたいですが、最新のiOS7でもアプリ単位のVPN制御は標準機能に実装されています。

タブレットやスマートフォン端末にインストールされたアプリケーションを管理する仕組み。

具体的には、業務アプリケーションのデータをラッピングし、他の私物アプリケーションにコピーやオープンインなどによって受け渡しされないように制御したりします。
また製品によっては、リモートワイプの適用範囲を予め指定した業務アプリケーションに限定することできるようです。

MCM(Mobile Contents Management)とは?

MCMはMAMからより深いレイヤー、つまりアプリケーションの中のコンテンツの管理になります。

コンテンツごとにポリシーを設定および管理する仕組み。

具体的には、iPadなどに配布した会社の資料(コンテンツ)を管理者が削除したり、配布を禁止にしたりすることができます。これにより会社のデータが外部へ漏洩しないように未然に防ぎます。主にコンテンツ配布のアプリケーションの分野での利用になるかと思います。私の会社でも「スマートカタログ」というアプリケーションを利用していますが、スマートカタログのデータ(資料)だけでいえば、MCMという言葉を意識せずに、コンテンツ管理が実現できていることになります。ただ他のメールの添付資料などはまったくMCMができていません。

今後のモバイルデバイス管理の方向性について

MAMとMCMともにまだ話題先行で、具体的なサービスなどはまだ各社ともに手探りの様な気がします。
とりあえずBYODではなく企業から端末を仕事専用機として支給している場合は、従来のMDMだけの管理で良さそうです。しかしBYODを導入している企業にとっては、何かデータ流出などの事故があった場合、BYODだからと言い訳ができるわけではないので、よりいっそう高度なデバイス管理が要求されています。BYODは企業の端末導入コストが抑えられるメリットがありますが、このように管理が複雑化してくると、このメリットも薄れてくるかもしれません。
ただMDMの付加機能としてMAMやMCMの機能を取り入れたMDMサービスもかなり出始めています。今後はMAMやMCMを含めてMDMというようになり、当たり前の機能になる可能性もあります。